阪神の藤浪晋太郎投手がキャンプの「投手MVP」に選ばれた。
矢野監督からの信頼も徐々に回復していっているのは投球内容を見てもわかる。2013年以来のワインドアップ投法を取り入れて実戦3試合で8イニング失点1。昨年までの自信のないマウンドでの姿はなかった。
西勇輝投手と高橋遥人投手の離脱を吹き飛ばす。
3月26日の開幕カードである東京ヤクルトスワローズとの開幕投手へ名乗りを上げて欲しい。
矢野監督は「自信に変えられたキャンプになったと思う。『これなら勝てるな』っていうものをしっかり見せてもらえた」と目を細める。残り1カ月弱。確かな手応えを携えて、藤浪が開幕ローテ入りに向けて突き進む。
デイリー
本来なら15勝以上を計算できるピッチャーだ。同世代の大谷投手とも相当な差がついた。しかし、藤浪投手はまだ26歳だ。まだまだやれる。
ストレートとカットだけでいい
2月の時点で球速は150キロを超えている。
昨年の終盤、リリーフで登板した甲子園でのスピードガンは160キロを超えていた。それだけのストレートの威力があれば、打者は当然、「真っすぐを待ちながら変化球対応」になるのだが、小さく曲げるカットにフォークボールも140キロを超すという状態なのだから、そう簡単には打球は前には飛ばない。
少々のコントロールミスも球威でカバーできる。
正直なところ球種はストレートとカットボール、この2種類だけでも十分にアウトカウントは稼げるのではないだろうか。
もちろんクリーンアップを迎える場面や、スコアリングポジションにランナーが要る時はこれだけでは抑えるのは難しいだろうが、得点差やイニングによっては下位打線などには、いい意味での「省エネ」投法もあってもいいのかもしれない。
完投が出来るエース復活へ
無駄な球数をなくし、理想は135球から145球を上限に完投勝利ができるエースに今年はなってほしいと思う。
西投手が調整が遅れる中、投手陣の軸となるのは、新加入のチェン投手でもなければ、アルカンタラ投手でもない。
藤浪投手を中心に、青柳投手・秋山投手とまわしていくローテーションをヤクルトとの開幕カードにはぶつけていってもいいかもしれない。
まだ開幕まで3週間ほどあるが怪我には気を付けて、神宮のマウンドで仁王立ちする藤浪投手を今から楽しみにしている。