2022年の正月三が日もようやく終わろうとしている。
しかし、世間のそれとは全く別に、正月気分を味わうことは余りなかったように思う。
我々プロ野球ファンからすると2月1日のキャンプインがまず一つ目の正月であり
ペナントレース開幕日が二つ目の正月だろうか。
さて今年の干支は寅年なのだが過去の寅年はどのような年だったか、簡単に振り返ろうと思う。
広島カープ優勝
1986年のセリーグは2021年のペナントレースと同様に広島カープと巨人が終盤までもつれにもつれた展開を見せていた。
当時は130試合制で広島が73勝46敗11引分けで勝率が.613なのに対して巨人が75勝48敗7引分けで勝率.610と勝ち数ではジャイアンツが上回ったにも拘わらず勝率僅か3厘差で広島カープが神宮球場で優勝を決めた。
前年度の覇者である阪神タイガースは故障者の連続のシーズンであった。
4月20日のナゴヤ球場での中日戦で主砲 掛布雅之が死球により左手首を骨折。
5月27日の巨人戦でも一塁ベースカバーに入ろうとした池田親興投手が走者と交錯し右足甲を骨折してしまう。
投打の主力を欠いた阪神は前半戦を終えて37勝30敗6分けで首位広島に4.5ゲーム差と連覇の可能性は十分にあったのだが夏場に失速し60勝60敗10分けで首位広島に最終的には13.5ゲーム差という大差をつけられてしまった。
三冠王 バースの活躍
そんな猛虎打線の中で一人気を吐いたのが助っ人バースだった。
6月18日のヤクルト戦から26日の巨人戦まで7試合連続本塁打の日本タイ記録をマークするなど、シーズン打率.389 長打率.777 出塁率.481 13試合連続打点などプロ野球記録を次々と更新する。
パ・リーグでは落合博満選手が圧倒的な数字で2年連続の三冠王を獲得しておりバース選手も1985年に続き2年連続の三冠王。
この2年間のタイトルは落合博満選手とバース選手がほぼ両リーグで独占するという状態であった。
では、そのほかの打者は何故、前年より不振に陥ったのか。
その要因の一つに1986年から導入された「新ストライクゾーン」の影響が阪神打線には多分にあった。
「低めにボール1個分広くなった」と言われる新ストライクゾーンに主力打者である岡田選手や新加入の柏原純一選手らを擁する猛虎打線は実力通りの打棒を発揮できないままシーズンを終えてしまう。
しかしながら、主力投手であるゲイル投手が25試合で5勝10敗 防御率4.56と低迷するなど投手力の強化が後手になったことも見逃してはならない。
ショートの平田勝男選手がゴールデングラブ賞を獲得するなどセンターラインを中心とする守りの野球を強化しなければいけなかったのだが、このシーズンの躓きが翌年からの暗黒時代への前兆だったとは当時は思いもよらなかった。
新たな時代へ
寅年は新たな製品やサービスが生まれ、初めての出来事も多く起こる干支とされています。「芽吹いたものが成長し、目立つ」という傾向が反映されるそうです。
2022年の阪神も近本光司選手を始めとして20代後半の油の乗り切った選手がチームの中心を支えます。
今季こそはヤクルト、そして巨人を倒してリーグV奪還と行きたいものです。